REPORT
デザインを学ぶ読書会~デザインについて学ぼう~
イオンタウンふじみ野2F cotokoto
2021年9月5日、cotokotoリビングにて「デザインを学ぶ読書会~デザインについて学ぼう~」を開催しました。
毎月課題図書を用意しながらそれを読まなくても参加できるという、とてもオープンなイベントです!
今回は常連の方3名と初参加の方1名で、計4名の方に参加して頂きました。
講師はおなじみ、京都芸術大学客員教授の酒井博基さんです。
先月の内容は「アート思考」をテーマにアートを見たり、知ったり、感じたりする時の思考がどのようなものなのか、13歳から知って役立つアート思考を学びました。
今回の読書会のテーマは「デザイン」です。このテーマのために用意された課題図書は原研哉著『デザインのデザイン』です。デザインのデザインってどういうこと?ご興味のある方はぜひ読んでみてください!
「デザインはどういう局面で機能し、どういう価値を生み出すものか?」
ウォーミングアップとして講師から出された問いに、参加者が二人一組になって話し合い、それぞれ発表しました。
以下、参加者の方からの発表を一部紹介します。
「エアコン本体はとてもデザイン性が高いのに、リモコンが残念だったことがある。」
「無駄のない美しいものが私は良いデザインだと思う。」
「(あらかじめ課題図書を読んで)デザインはただ目に見えるものだけではなく、生き方や考え方も含むことがわかった。」
「服飾の学校に行っていた。ファッションにもスタイルがあるように、良いデザインにもデザインした人のスタイルを感じる。」
それぞれが考えるデザインの機能と価値について意見交換しました。
「もし自分でコップをデザインするとしたら?」
著書を引用しながら先生が皆さんに問いかけました。
仮に様々な深さの食器を並べた時、一体どの深さからコップと言えるのでしょうか。
その時点で”コップとは何か?”という問いが生まれ、デザインの目的を見失ってしまいます。
ここで重要なのが”デザインの定義”だと先生は言います。
先生は新たに永井一史著『これからのデザイン経営』を引き合いに、デザインの定義を
「デザインとはあらゆるものをより良くするための活動」
と定義し、”より良く”を深く考えることがデザインの幅広さであると説明しました。
より良いコップをデザインしようとした時、
どんな深さで、どんな厚さで、どんな素材でなど様々な”より良く”を考えることができます。
デザインという思想が生まれたのは、人間の手仕事を機械によって大量生産するようになった19世紀の産業革命からだと言われています。
大量生産をする機械(不器用な手)が作る製品はとてもチープなものでした。そのため、もっと心あるものを作っていこうと奮起したウィリアム・モリスらの思想が、今のデザインというものの源流となりました。
現在のデザインはというと、経済(より多くのお金を得るため)の奴隷となり、デザインが持つ本来の思想からさらにねじ曲がってしまったと言います。
これからのデザインは”人間の豊かさとはなんだろう?”という本来の問いに立ち帰っていくべきではないか、と先生は言います。
一時間半のイベントはあっという間に終わってしまいました。最後に酒井さんから、「本当にこの本とテーマには思い入れがあり、聞いていて難しく感じたところもあると思うが、それぞれが自由にデザインというものを解釈してもらいたい」とまとめました。
参加者の皆さんも最後に思い思いの感想を述べ、イベントは終了しました。
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さて、次回の読書会は、佐渡島庸平著『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』を課題図書にしてコミュニティについて考える予定です。
皆さんのご参加をお待ちしております!
***座席数を減らし、少人数制で開催しております***
読書を通じてデザインを学ぶ読書会です。
今回は、「デザイン」をテーマにした内容です。
参考図書は「デザインのデザイン」(著:原研哉)
※参考図書はcotokotoでご覧いただけます
「デザイン」とはいったい何なのか?
敢えて定義するなら、それは「意匠」や「応用美術」と翻訳されますが、
昨今の社会の流れや変化から、意味を正確に定めることが困難になってきつつあります。
本書を通じて、デザインとはなんなのかをみなさんと一緒に議論していければと思っています。
ぜひご参加ください!
▼過去のイベントの様子はこちらから
1月開催レポート(コミュニティデザイン)
2月開催レポート(自己紹介)
3月開催レポート(言葉)
4月開催レポート(センス)
5月開催レポート(問題の発見)
6月開催レポート(キャリア)
7月開催レポート(美意識)
8月開催レポート(アート思考)
酒井 博基/京都芸術大学客員教授
1977年、和歌山県生まれ。
武蔵野美術大学大学院修士課程修了。
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科博士課程中退。
組織や地域の課題を解決する共創プロジェクトを多数手がけるクリエイティブファーム「D-LAND」代表。
代表するプロジェクトは「山手線 Ver.2020 by 東京感動線」「六本木未来会議」「中央線高架下プロジェクト(コミュニティステーション東小金井)」「LUMINE CLASSROOM」など。
2016年グッドデザイン特別賞[地域づくり]をはじめ、受賞歴多数。
https://www.d-land.jp/
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<概要>
・開催日時:2021年9月5日(日)14:00〜15:30
・会場:イオンタウンふじみ野2F cotokoto
・参加費:無料
・定員:8名 ※先着順
・対象:高校生以上対象
▼ご予約はこちらから受け付けています
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02d9cmes2nv11.html
※ご参加の方は、感染症対策へのご協力をお願いいたします。
・発熱、咳、のどの痛みなど体調のすぐれない方は参加をご遠慮ください。
・ご入店の際に、検温とアルコールによる手指消毒をお願いします。
・特別なご事情がない限り、マスクの着用をお願いいたします。
・ほかの参加者様やスタッフとの適切な距離感を取っていただくようお願いいたします。
※イベントの様子を写真・動画で記録し、cotokotoのwebサイトやSNSで使わせていただく可能性がございます。ご了承いただけますと幸いです。